BeDesignFPGA、組込システムハードウェア全般の受託開発

A,B二地点の緯度経度座標をGPSで測定します。二地点間が地球の外周に比べて無視できる距離ならば、平面に近似してA地点から見たB地点の方位を計算できます。例えばB地点方位が22.5度(北北東)ならば、反時計方向に22.5度が極北になります。
A地点にスコープ付きの赤道儀を置き、B地点の目印に合わせた後、赤道儀の方位角を変えれば極北を向きます。GPSから得られた緯度を赤道儀の仰角にすれば、赤道儀のスコープは正しく地軸の北を向きます。

ここで考慮すべきは、GPS受信機の誤差です。測位系による実際の地形との誤差は、同じ設定の二つの受信機が同じ方向へ等量の誤差を示すので問題にはなりません。問題になるのは測位時の原理的誤差です。
資料によると、以下が挙げられています。

1)意図的に仕組まれた誤差:米国のGPSには、現在仕組まれていないようです。
2)衛星の時計誤差:1~2m程度
3)衛星の軌道情報誤差:1~4m程度
4)大気遅延:2~20m程度
5)マルチパス:数m
6)受信機の時計誤差:1m程度
7)外来ノイズ
8)システム障害
9)衛星捕捉数不足:数十m

現実的な設定で考えると、A,B地点距離がせいぜい数十mから百m程度であることから、二つの受信機はほぼ同じ衛星を捕捉することになる筈です。その場合1~5の誤差は両受信機に同じ方向への誤差となり、相対的にキャンセル出来ると考えられます。
7は装置自体のEMI性能に依存しますが、低速なシステムで十分なので回避できそうです。
8のシステム障害は回避方法がありません。そもそも、装置がGPSを測位して動作する前提なので、障害時には機能しません。
装置の用途を考えると、両受信機はオープンサイトに設置されることになり、9の衛星捕捉数も十分である筈です。
残るは6の受信機側の時計誤差1m程度で、目的の地軸極を精度良く得られるかどうかということになります。
次回、二地点の経緯度から方位の計算方法と、精度の検討をしようと思います。
カテゴリートップ
GPS Polaris Searcher
次
測位値から方位角の算出方法